大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和27(あ)2522 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人森岡庸光の上告趣意第一点について

所論弁護人選任届及び主任弁護人届には被告人の氏名を記載しAなる押印がして

あるが右氏名の記載を記録に存する被告人の自署と対照すれば明らかにその筆跡を

異にし被告人の自署でないと認められるのであり、記録に存する弁護人渡辺七郎の

署名の筆跡からみると右選任届における被告人の署名は弁護人渡辺七郎の代書した

ものであると認められるのである。そして右弁護届には刑訴規則六一条二項の附記

がしてないから右弁護届は右規定に違反する瑕疵があることはこれを認めざるを得

ない。ところが所論引用の当裁判所の判決の要旨は被告人の署名は弁護人が代書し

たものと認められる弁護人選任届に代書の事由が附記されていない瑕疵があつても

右弁護人が異議なく公判に立ち会つて弁論し又被告人にも異議がなかつた場合には

該弁護人選任届は無効でないというのである。本件について之をみると弁護人渡辺

七郎は原審第一回公判期日に出頭して異議なく弁論をしており、被告人に対する公

判期日の召喚は適法になされているのに被告人は出頭せず、また何等異議の申立も

していないことが記録上明白である。然らば本件弁護人選任届は無効ではないので

あるから原判決は毫も右判例に反するものではなく従つて判例違反の主張は全く理

由のないものである。

同第二点について

所論は量刑不当の主張で適法の上告理由にあたらない。

なお記録を調査しても本件につき刑訴四一一条を適用すべきものとは認められな

い。

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よつて刑訴四〇八条一八五条一八一条により主文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員一致の意見である。

昭和二八年五月二九日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

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